お話シリーズも5話目になりました。(ぷりんにウケて、図に乗ってます。)
それでは、今回は、笠地蔵のお話です。
もし、お地蔵さんが気が利かなかったら・・・のお話です。
ここから先は、夢が壊れてしまうかもしれませんので、覚悟して読んで下さいね。
笠地蔵
ある雪深い地方に、ひどく貧しい老夫婦が住んでいました。
毎年、新年を迎えるためのお餅も買えない状況で、大晦日ですら、笠売りを欠かせませんでした。
今年も、大晦日だというのに、自家製の笠を売りに町へ出かけていきました。
ですが、天気も良く、せめて雪でも降っていれば、売れたかもしれないが、残念ながら、笠はひとつも売れませんでした。
お爺さんは笠を売ることを諦めて、帰路につきます。お爺さんが帰り始めると、ちらほらと雪が舞いだし、あっという間に猛吹雪に…。 帰り道をトボトボ歩いていると、7体のお地蔵さんを見つけました。
「おやおや、寒そうですな。売れ残りの笠ですまないが、少しでも雪から身を守って下さいな」と、お爺さんは、傘をお地蔵さんにかぶせていきました。
しかし、手持ちの笠は、全部で6つ。仕方がないので、最後の一体には、手ぬぐいを被せて、帰っていきました。
帰って、お爺さんは、お婆さんにわけを話した途端、お婆さんは大激怒!
「手ぶらで帰ってきたんかぃ!明日からの正月は、どないするんゃっ!!」
「すまんすまん。でも、いいことをしたから、きっと来年こそは、お餅に有り付けるハズだから…」と何とか、お婆さんの激昂を抑えることが出来ました。
その夜、老夫婦が寝ていると、家の外で何か重たい物が落ちたような音がしました。
不思議に思い、扉を開けて外の様子を伺うと、家の前に・・・
もち米、杵、臼、お重箱が置いてありました。
「持ってくるなら、出来上がった餅を持ってこぃ!元旦から、餅つきかっ!!」
お地蔵さんは、軽く振り返り、被っていた手ぬぐいをわざとらしく、置いていきました。
「私を探して、見つけてくださいましな。そしたら…」
「シンデレラかっ!!それに、もとはおらのじゃー!」
ちゃんちゃん
なんだか、矛先が変わってしまいました。
てか、元旦から餅つきは、したくないなぁ~。