さて、今回は、イソップ童話の紹介です。
イソップ童話
イソップ童話は、古代ギリシャの奴隷だったイソップが主人に話したお話を記録した物語だと言われています。イソップは、主人にその才を認められて、後に奴隷身分から解放されたそうです。
「グリム童話」を「民話」または「昔話集」という言葉で表すことがあるように、「イソップ童話」を他の言葉で表すと「イソップ寓話」となります。
「寓話」とは、動物や擬人化された観念などを主人公に、モラルを象徴的に表現する物語です。
イソップ童話の代表作
イソップ童話の有名なお話は「アリとキリギリス」、「ウサギとカメ」、「北風と太陽」、「金の斧(=金の斧と銀の斧)」等、いっぱいあります。どれも、教訓になるようなお話ばかりですな。
イソップ童話からの紹介は、「金の斧と銀の斧」です。
本当の「金の斧と銀の斧」は、正直に自分の失くしてしまった斧を申告したことによって、褒められ、得をする!別の男は、嘘を付いて、損をする!というお話です。
でも、今回は・・・もし主人公が上にバカがつくぐらいの正直者だったら・・・のお話です。
夢が壊れてしまうかもしれないので、ここから先は覚悟を決めて、読んでくださいね!
金の斧と銀の斧
むかしある男が、川のそばで木を切っていました。
ところがある日、手が滑って、持っていたオノを川に落としてしまいました。
困り果て嘆いていると、ヘルメース神が現れて、男に問います。
「お前が落としたのは、このピカピカの金の斧か?」
「いいえ、違います。そんなキンピカではありません。」
「では、こちらのギラギラの銀の斧か?」
「いいえ、違います。そんなギラギラではありません。」
「では、こちらのどんよりした鉄の斧か?」
「似ていますが、違います。おらが持っていたのは、持ち手の所に十字傷がありました。」
「(めんどくさいヤツだなぁ~)では、これか?」
「おしいですが、刃が少し欠けておりました。」
「(ますます、めんどくさい!)では、これか?」
「いえ、この部分じゃなくて、この辺です。」
「(あ~、めんどくさい!!)では、これか?」
「非常におしいのですが、実は、ここにおらのイニシャルが…。」
「(限界!!)お前は、なんと正直者なんでしょー。今までの斧を全て差し上げましょー」
「いやっ!使い慣れたおらの斧じゃないと、仕事になりません。どうか、おらの斧を探してください。」
「・・・。
残念!時間切れ!さらばじゃ~~~ぁ。」
結局、男は、何も手に入れることはできませんでした。
ちゃんちゃん
あまりに正直過ぎるのも、どうか?!ってことですね。妥協も必要かと…。