吾輩は、猫である。
幻のにゃんことかって、言われているが、吾輩は別に好き嫌いがはっきりしてるだけで、普通のにゃんこである。毎日、ぐっすり寝て、それなりに美味しいものを頂いて、少し後輩にゃんこと遊んで…。
ただ、苦手な人間がいる。一緒に同居しているおばちゃんだ。いい歳なのに、まだ遊びまくっていて、たまに旅行とやらに出かけていく。その時は、快適な暮らしがやってくる。まぁ~、後輩にゃんこがたまに追っかけてくるが、それも運動の為だと思えば、問題ないのである。
ちっちゃい頃
吾輩は、家なるものの中で生まれ、そのままこの家にやってきた。小さい頃に人間の勝手で去勢手術を受けさせられた。あまりかまってもらった記憶もない。この家には、おばちゃんが2人いて、1人はもう、おばあちゃんと言ってもいいぐらいのようだが、その方が吾輩のエサをくれる大事な人だ。
好き嫌い
もう1人は、天敵と言っていい。どうやらそやつが吾輩を貰い受けたようだ。
が、可愛がってくれたのは、おばあちゃんの方だ!おばあちゃんは、エサをくれ、膝の上で寝かせてくれた。
おばちゃんは、抱っこはしてくれたが、一度、追い掛け回された記憶があり、二度と近づきたくない。去勢手術の時も不意に小さな箱に詰め込まれ、消毒薬くさいところに連れて行かれた。
痛かった…。
すぐには、回復できず、家に戻っても、ぐったりしていた。そんな嫌なことをされたヤツを好きにはなれん!なので、おばちゃんは嫌いだ!
お外
小さい頃に、一度、おばあちゃんが玄関から出るのを見て、一緒に行きたくなり、生まれて初めて外に出た。
が…おばあちゃんは吾輩が出たことに気付かず、そのまま玄関を閉めてしまった。「やばい!!どうしよう…。おばあちゃーーん、開けてくれ~」と玄関をガリガリしていると、数分後に開いた。
助かった!あのまま放置されてたら、どうなっていたことか…。なので、お外のイメージは、ほとんどない上に良くもない。
網戸
吾輩は、網戸で爪とぎをする。この前、夜の食事が終わり、皆が寝静まった頃にふと爪とぎをしたくなり、網戸を探すが、1階にはボロボロの網戸しかなく、天敵のいる2階に行かねばならなかった。
すでに寝静まっているので安心して、ガリガリしようとするが、何故かにゃかにゃか上手くいかない。
ジタバタしていると、何故か天敵が目を覚ましたようで、後ろを取られた!「逃げないとっ!!」だが、爪が外れない!天敵は、寝ぼけているようで後ろでじっとしている。
「とにかく早く逃げなければ…」ジタバタと爪を外そうとするが、しっかり網戸に食い込んでいて取れない!
天敵は真後ろで佇んでいる。
焦る!
ジタバタ!ジタバタ!!
取れたっ!!
ダメだっ!今度は反対側の手の爪が…。
ヤバいっ!
ジタバタ!ジタバタ!!
取れたっ!!
ギャーーーーー!また…。
それを2、3度繰り返し、やっとの思いで逃げ出したのであった。
天敵は、手を出しては来なかったが、あれほど近くで背後を取られたのは、初めてだ!
不覚!!