僕はそらら
ちょっとだけ、僕の話を聞いてほしい。
誰にも言えなくて、悔しい思いをしてるんだ。なんで、この場を借りて、訴えてやる!
お姉ちゃんの存在
僕が最初にこの家にやってきた時は、白いふわふわしたお姉ちゃんがいた。お姉ちゃんは、僕が近づくと逃げる。また、近づくと逃げる。なんでだろ…?
かまってほしくて、一生懸命お姉ちゃんの周りを走り回るのに、逃げる。挙句の果てに、吠える!ちょっと、怖いなぁ~。でも、負けない!僕は、お姉ちゃんが大好きだから。でも、お姉ちゃんは、僕らの年齢では、おばあちゃんだったんだ。僕が来た頃は、まだ、お姉ちゃんの方が先にお散歩に行ってたけど、年々僕の方が先に歩くようになった。ある日、お姉ちゃんがお花の中で眠っていた。
ははな来襲
それから、数日後、まだらなちっちゃいたれ目な女の子がやってきた。
はななちゃんと言うらしい。はななちゃんは、僕より小さくやんちゃであった。最初は、楽しくてじゃれあっていたけど、段々、目障りになってきた。ボールを投げてもらっても、僕が取りに行く前にはななちゃんが取ってきちゃう!別のぬいぐるみをはななちゃん用に投げてもらっても、僕の小さな枝豆くんが飛んでくると、そっちも追っかけて、回収していく!僕は、ちっとも面白くない!僕のお気に入りの枝豆くんは、僕のなのに…。
横取り
どうして、僕の遊び物まで、取っていくんだろう…。はななちゃんは、欲張りなのかな?一度、僕の方が先輩だ!ってとこを見せないとな…。
投げてもらっても、上手く口に入らないと、横取りされる。
先に枝豆くんに到着しても、後で来たはななちゃんに横取りされる。
上手く口に入っても、ちょっと落とすと横取りされる。
結局、ほとんどが横取りされるんだよね。ひどいでしょ!
たまに、はななちゃんも口から落っことすことがあるんで、横取りしようとするんだけど、企画倒れに終わっちゃう。僕って、気弱なのかな?いや、きっとやさしいんだな…。
だから、はななちゃんがじゃれついてきても、遊んであげる。でも、そのうち僕が飽きてくる。はななちゃんは、なかなか飽きない。だから、嫌になったら、はななちゃんが登れない椅子の上に上がるんだ♪そうしたら、はななちゃんは、諦めてどっかに行っちゃうから…。
夢
いつかは、はななちゃんの横取りからも負けないぐらい、強くなって、枝豆くんを僕のものにしてやるんだ!
『ちっちゃい夢だな…。』とぷりんは、思うのであった。