先日、東京グローブ座で大倉忠義さん主演の『蜘蛛女のキス』を観劇してきました。
このお話はアルゼンチンの作家マヌエル・プイグの小説が元になっていて、ブエノスアイレスにある刑務所の小さな監房で二人の男たちの会話劇で繰り広げられる物語です。
大倉さんの初のストレートプレイでさらに二人芝居と言うことで、「行きた~い」とファンクラブ枠に応募。もちろん、落選(泣)でも、友達が誘ってくれたので、行けることになりました。
仕事を午前中で早退して、一路、東京グローブ座へ。ギリギリ18時10分頃、到着。パンフレット購入の列に並ぶもそこそこ長めの列。間に合うかとドキドキ。やっと見れるという思いとで妙にテンションが上がってしまいました。(グッズのマグカップも売り切れていませんでしたよ)
グローブ座はわりと小さめの箱なので、1階後方席でも、とうにか表情まで見れます。友達にハイテンションのまま、お礼を言って、席につくと、落ち着く間もなく、開演5分前のベルでした。
※ここからはネタバレになりますので、ご注意くださいませ※
1幕
真っ暗なまま、渡辺いっけいさん演じるモリーナ、続いて、大倉さん演じるヴァレンティンの声が聞こえてきます。ぼそぼそっというかんじなので、聞き取ろうと、会場は一気に集中モードに。その後、ライトが灯り、2人の姿が見えてきます。
上手にモリーナの、下手にヴァレンティンのベットがあり、舞台全般、この立ち位置でのシーンが多いです。ただ、渡辺いっけいさんはほとんどセリフをおっしゃりながら、動いていらっしゃるので、舞台中央から上手という感じかな。大倉さんは、下手が圧倒的に多いのですが、ベッドシーンは上手。大倉さん担当にとっては迷いどころですね。
舞台転換は、暗転を使って、わりと多く行われます。
セットが大きく変わることはないのです。(話の転換のためというかんじかな)セリフが多いし声のトーンが低めだったりするので、観客のみなさんも息をひそめています。
だからか、暗転の時は、みなさん、ゴソゴソしたり咳をしたり、ちょっと息をついていました。前半は、二人が心を通わすまでだったかな~。
夢中だったので、忘れてしまいました・・・ごめんなさい。ただ・・・渡辺さん演じるモリーナには秘密が。
休憩
やっと休憩になり、ダッシュでトイレへ(笑)長蛇の列になる前に行けたので、パンを買って、腹ごしらえ。と言うのも、1幕の終り頃からおなかがなりそうで・・・それを抑えるために舞台どころでなくなっていたんです。
あの静かな重めのシーンで、おなかがぐぅ~はシャレになりません(泣)
これからソワレを観劇される方は、なにか軽く食べて行かれるか、パンなどを持って行って始まる前に食べることをお勧めします(笑)
2幕
後半は、ヴァレンティンも、モリーナに心惹かれ・・・でも、モリーナが監房を出ていくことになり・・・というところで、ベット&キス&抱擁シーン。どのシーンも男同士とは思えないような、話の流れに沿ったきれいなシーンでした。
ちなみに、ベットシーンはヴァレンティンの声、ベットの軋む音も聞こえてきますよ。下手のサイドの方だと、ヴァレンティンが腰を動かしているところも見えるとのことです(グローブ座から帰るときに、周りにいた方が話してられました)
モリーナが話す映画の話を中心に展開していくのですが、最後は、映画のシーンにお互いをあてはめるという風になっていて・・・それがまたとても心惹かれ・・・悲しいけど、お互いを思いやる心に泣き笑いもしてしまうようなちょっとホコッとした気持ちになりました。
渡辺いっけいさんは「さすが!」の一言です。ボキャブラリが少ない私には、すっごい人としか言えません。(たぶん)あのむつかしい役をなんなくこなしていました。
大倉さんも役にぴったりで、素の大倉さんがもし革命家だったら・・・というかんじです。強がり、キツイことを言う。でも、自分のしたこと、言ったことに対してちょっと自己嫌悪・・・相手への想いを素直に出せない・・・でも、最後には素直な気持ちがこぼれ落ちてしまうという私のイメージの大倉さんでした。
これが演じてるのであれば、感情細やかにいろんな表現ができる人の一言です(笑)
とにかく渡辺いっけいさん、大倉さんに圧倒されてしまい、凄すぎて、どう言葉にしてよいのか…っていう感じで、あっという間の2時間50分でした。
出来ることなら、もう一度見たいと思わせる舞台です。
※あくまでも個人の感想です。
追記:
「ファンより」と言う公演祝いのお花が届いてました。ちょっとビックリ!ファンからも贈れるんですね。